国際的に、フランスの音楽はクロード・ドビュッシーやジョルジュ・ビゼーなどのクラシックの作曲家としばしば繋がりがあります。パリには音楽、芸術、パフォーマンスの豊かな歴史があるため、多くのフランス語圏のアーティストがこの首都でキャリアをスタートさせた事に不思議はありません。

ここ数十年で、ヴァリエテ・フランセーズと呼ばれるジャンルなど、フランスのポピュラー音楽の発展がありました。フランス語の歌詞のポップスやロックなど、モダンなスタイルが含まれます。このジャンルで非常に有名なアーティストとして、ジョニー・アリディ、エディット・ピアフ、ジャック・ブレルなどが挙げられます。アンジェルやザーズなど、注目を集めている新しいアーティストも出てきています。 

この素晴らしいジャンルをご紹介するにあたり、皆さまにご覧いただいてピアノで演奏していただけるように、フランスで人気がある10曲のリストをまとめました。 

▶️ ピアノで演奏する最も美しいフレンチ・ソング集, 初心者をご覧ください

▶️ ピアノで演奏する最も美しいフレンチ・ソング集, 初級をご覧ください

▶️ ピアノで演奏する最も美しいフレンチ・ソング集, 中級をご覧ください

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1. ジャン＝ジャック・ゴールドマン：Envole-moi

▶️  ジャン＝ジャック・ゴールドマンの「Envole-moi」をピアノで演奏しましょう

ジャン=ジャック・ゴールドマンは、1980年代の象徴的なフランスのシンガー・ソングライターです。彼はたくさんの記憶に残るヒットを生み出し、数世代にわたるファンに人気がありました。彼の謙虚さ、寛大さ、そして言うまでもなく彼の音楽により、フランスで人気のある著名人として彼は支持され続けています。

1984年、3枚目のソロアルバム『Positif』がリリースされ、その1曲目に「Envole-moi」が収録されていました。2003年のゴールドマンとのインタビューで、彼はこの曲の背景となったストーリーについて話しています。彼によると、ネガティブな環境から抜け出し、必要な手段を使ってより良い人生を送れるよう、助けを求める少年の話だそうです。 

Tomplayのフランスのピアノ曲「Envole-moi」をご覧ください。私たちのアレンジ版は複数の難易度から選択可能で、ソロピアノまたは、高音質のバッキングトラックと一緒に演奏していただけます。また、楽譜はシンセサイザーでもご利用いただけます。

2. エディット・ピアフ：La Vie En Rose / ばら色の人生

▶️ エディット・ピアフの「ばら色の人生」をピアノで演奏しましょう

エディット・ピアフの「ばら色の人生」は、これまでで最も優れたかつ最も人気のあるフランスの曲の一つです。1945年、カフェのテラスに座っていたピアフの友人、マリアンヌ・ミシェルが、この曲を書いてほしいと彼女に頼みました。それがきっかけとなり、ピアフは小さな紙に最初の音と言葉を書きました。

 当時イヴ・モンタンと交際していたピアフは、フランス語の間違いも含む下書きを、この曲の最初のバージョンとして彼に渡しました。マリアンヌ・ミシェルはそれを推敲し、エディット・ピアフのお気に入りの作家であったアンリ・コンテが手を加え、誕生日プレゼントとしてピアフに最終版が贈られました。彼女はこれを1947年にシングルとしてリリースしました。

 それ以来、ルイ・アームストロング、グレース・ジョーンズ、プラシド・ドミンゴ、シンディ・ローパー、ブルーノ・マーズ、レディー・ガガ、さらにはマドンナまで、多くのアーティストによってカバーされています。

「ばら色の人生」はまさにフランスのポピュラー音楽の代表格ですので、是非この曲にチャレンジしてください。フランスのピアノ曲「ばら色の人生」のアレンジ版は、高音質のバッキングトラック付きで、複数の難易度からご利用いただけます。また、2本のヴァイオリンと一緒に三重奏での演奏も可能です。

3. Slimane & Vitaa：Avant toi

▶️ Slimane & Vitaaの「Avant toi」をピアノで演奏しましょう

VitaaとSlimaneは、2018年の『The Voice Belgique』の審査で知り合ったアーティストです。以前はソロアーティストとして活動していました。Vitaaはフランスのラッパー、Diam'sの2006年の曲でコラボして有名になり、Slimaneは2016年に『The Voice France』で優勝しています。Slimaneはフランス語を愛してやまないため、現代のフレンチポップのスターの多くがそうであるように、英語の曲を歌うのではなく、フランスのポピュラーソングをよく歌っています。  

2018年、彼らは共同事業に挑戦することを決め、デュオとして音楽をリリースし始めました。2019年に彼らはアルバム『VersuS』をリリースしました。このアルバムに収録されている1曲は、美しいピアノのラブバラード「Avant toi」です。パリで撮影されたミュージックビデオの中で、アーティストは光の街を歩いてお互いを見つけます。ですが悲しいことにこのデュオは長くは続きませんでした。2021年にお互いのソロでのキャリアを続けるために彼らは解散を発表しています。 

美しいフランスのピアノ曲「Avant-toi」をTomplayで演奏してみましょう。様々なレベルからお選びいただき、ソロピアノや音楽と一緒に演奏することができます。さらに、このヒット曲を歌いながら同時に演奏をしたい方には、歌に合わせたピアノ伴奏譜をご用意しております。

4. ルノー：Mistral Gagnant

▶️  ルノーの「Mistral Gagnant」をピアノで演奏しましょう

次にご紹介するフランスのベストソングは、2015年に「フランス人が最も好きな曲」に選ばれた、ルノーの「Mistral Gagnant」です！ 

ルノーは1980年代にフランスで頭角を現し、彼の曲の多くはフランスの名作になりましたが、国外ではあまり知られていません。彼は自身の歌を通して、ユーモラスで軽快なものから、社会批判を呼ぶような重いものまで、さまざまなテーマに切り込んでいます。 

「Mistral Gagnant」は、同名の7枚目のアルバムに収録されています。娘のロリータに向けて書かれたノスタルジックなバラードです。ルノーはこの曲をリリースすることは、あまりにも個人的であると感じていましたが、最終的には、リリースしなければ家を出ると言い出した妻に説得されました。この曲の美しさはそのシンプルさにあります。ルノーはピアノだけの伴奏で歌い、そのことがこの美しいフランスのピアノ音楽を生み出したのです。

Tomplayでは、さまざまなレベルで、ソロピアノ用にアレンジされた「Mistral Gagnant」を提供しています。また、歌に合わせたピアノ伴奏譜もございますので、歌いながらピアノで伴奏をする弾き語りもお楽しみいただけます。

5. クララ・ルチアーニ：La grenade

▶️ クララ・ルチアーニの「La grenade」 をピアノで演奏しましょう

クララ・ルチアーニは、フランスの人気曲の中では比較的最近のスターですが、まだ30歳という若さにもかかわらず、数々の素晴らしいヒット曲を世に送り出しています。彼女は南フランスのエクサン・プロヴァンス近郊で生まれ、歴史ある町の大学に通った後、さまざまなバンドで歌うようになりました。 

彼女が大ブレイクしたのは2017年、1stEP『Monstre d'amour』をリリースしたときです。好意的なレビューやフィードバックに後押しされた彼女は、エクサン・プロバンス近郊の有名なサント＝ヴィクトワール山の尾根からインスピレーションを受けたファーストアルバム『Sainte-Victoire』のレコーディングに踏み切ったのです。

1曲目の「La grenade」は、自立した自由な女性であることを示すことで、音楽界で受けた排外的なコメントに対する彼女なりの返答を表しています。この曲は、2017年にシングル、2018年にアルバムでリリースされたものの、人気が出始めたのは2019年からでした。現在では彼女のトップ・ヒット曲と言われています。

フランスのピアノ曲「La grenade」は、複数の難易度からお選びいただけます。ソロピアノまたは、伴奏と一緒に演奏してみましょう。

6. ジャック・ブレル：Ne me quitte pas

▶️ ジャック・ブレルの「Ne me quitte pas」をピアノで演奏しましょう

Jacques Brel is one of the most celebrated Belgian singers of all time. He is considered an icon of the chanson (a lyric-based French song) and in Brussels, his hometown, there is a park and subway station named after him.

Many people interpreted his greatest hit Ne me quitte pas as a love song, but Brel himself confirmed in an interview that the song is in fact about the cowardice of men. Brel wrote this song in 1959 following a painful break-up: when he refused to leave his wife and three children, his mistress ended their relationship.

Brel took inspiration for part of the melody from Franz Liszt’s famous Hungarian Rhapsody No. 6. The song has been covered by many different artists, including French-speakers, like Johnny Hallyday, as well as in other languages, for example by Ray Charles and Barbara Streisand. The French piano music part of Ne me quitte pas is marked as rubato, allowing pianists to freely express themselves.

You can perform Ne me quitte pas on solo piano, with the backing track, or play and sing at the same time with our accompaniment score for voice. You’re spoiled for choice!

7. Indochine：J’ai demandé à la lune

▶️ Indochineの「J’ai demandé à la lune」をピアノで演奏しましょう

フランスのグループ、Indochineは1980年代に結成され、ニューウェーブというカテゴリーに属していました。このカテゴリーは、従来の伝統的なパンクロックのヒット曲と比べ、より商業的で魅力的なポップソング（と一部のパンクソング）とを分類するための包括的な用語でした。

Indochineはファーストアルバム『L'Aventurier』(1982年) で一躍有名になり、1990年代、その成功に陰りが見え始めるころまで、数多くの人気曲をフランスでヒットさせてきました。2002年、リード・シンガーのNicolas Sirkisが、アルバム『Paradize』に詩的なバラード曲「J'ai demandé à la lune」を収録するようメンバーを説得し、バンドとしての方向転換を図りました。この曲はすぐにヒットし、子供の成長を追ったミュージックビデオの効果もあり、ファンの人気を取り戻すことに成功しました。誰にとっても魅力的な曲で、今ではIndochineの曲の中でも熱狂的に支持される曲になりました。

「J’ai demandé à la lune」のアレンジ版をソロピアノや、バッキングトラックと一緒に演奏してみましょう。様々なレベルを用意しておりますので、どなたでもこの美しいフランスのピアノ曲の演奏をお楽しみいただくことができます。

8. ジョニー・アリディ：Que je t’aime

▶️ ジョニー・アリディの「Que je t’aime」をピアノで演奏しましょう

2017年にジョニー・アリデイが亡くなったとき、彼はフランスで最も愛されたアーティストの一人だっただけに、フランスは大きな悲しみに包まれました。約60年のキャリアの中で彼は1000曲以上を録音し、その中には英語曲のフランス語カバーも含まれています。8万人収容のスタッド・ドゥ・フランスをはじめとする巨大なコンサート会場を完売させるなど、彼の演奏技術には才能を感じさせるものがありました。彼はフランスで偉大なロックスターであり、“フランスのエルヴィス”という愛称でも呼ばれていました。

「Que je t’aime」は、アリディの最大のヒット曲であり、フランスのベストソングの一つです。1969年にジャン・ルナールが作曲し、ジル・チボーが作詞をしました。アリデイはLe Palais des Sportsでの自身のショーに向けて新しいヒット曲を探しており、この曲はまさにぴったりなものでした。 

メロディーと伴奏の両方に十六分音符で構成されたスリリングなピアノリフで始まるこの曲は、指のバランス感覚を練習するのに最適です。 

Tomplayではあらゆるレベルのピアニストの方にお楽しみいただけます。「Que je t’aime」 のアレンジ版は、超初級から上級レベルまで、ソロピアノでも、バッキングトラックと一緒でも演奏していただけます。

9. クロード・フランソワ：Comme d’habitude

▶️ クロード・フランソワの「Comme d’habitude」をピアノで演奏しましょう

クロード・フランソワの「Comme d'habitude」という曲でピンときた方もいるのではないでしょうか…実は、この曲はフランス版フランク・シナトラの「My Way」なのです。正確には、クロード・フランソワのバージョンがこの曲の原曲で、1967年にジャック・ルヴォーが作曲し、クロード・フランソワとジル・ティボーが作詞しました。ルヴォーが最初の下書きを作曲したところ、彼が当時交際相手と破局しそうな状況だったこともあり、その経験をアイデアに加えて再考するようフランソワは要求しました。

この曲は、クロード・フランソワによるパフォーマンスでフランスのベストソングの一つとなりました。1968年、ポール・アンカがこの曲を英語詞で書き直し、「My Way」が生まれました。フランク・シナトラがこの曲を発表すると、瞬く間に大ヒットとなり、このシンガーの代表曲となりました。ですが、彼の娘によると、シナトラ本人は実はあまりこの曲は好きではなかったようです。

面白いことに、デヴィッド・ボウイも英語版の作詞をしましたが、彼のものは世に出ることはありませんでした。拒絶されたこの事実がきっかけとなり、のちに大ヒットとなる曲「Life On Mars?」が生まれたのです。 

Tomplayでフランスのピアノ曲「Comme d’habitude」を演奏してみましょう。ソロピアノとしてこの曲を演奏したり、高音質なバッキングトラックの録音と一緒に演奏したりしてお楽しみいただけます。このフランスの人気曲を習得することは、史上最も象徴的で、最高なフレンチ・ソングの一つを習得することを意味します！

10. ジョー・ダッサン：Les Champs-Elysées / オー・シャンゼリゼ

▶️ ジョー・ダッサンの「オー・シャンゼリゼ」をピアノで演奏しましょう

フランス系アメリカ人のシンガー、ジョー・ダッサンのヒット曲「オー・シャンゼリゼ」を抜きにして、フランスの人気曲を語ることはできません。この曲はもともと、1968年にイギリスのマイク・ウィルシュとマイク・ディーガンが英語で書き、「Waterloo Road」というタイトルで、ジェイソン・クレストというバンドによってレコーディングされたものでした。しかし、残念なことにこの曲はリリースと同時に大失敗となってしまいました。

ジョー・ダッサンが1969年に発表したバージョンは、この曲の辿ってきた歴史を永遠に変えることになりました。メロディーこそ同じですが、フランス語の歌詞はパリの象徴であるシャンゼリゼ通りを散歩する気楽な恋人達を描いており、1960年代のこの通りのありのままをイメージさせるものでした。ダッサンの軽快で魅力的なバージョンは、世界的な成功を収め、フランスの人気曲となりました。2018年ワールドカップでは、サッカーファンによりフランス代表のMFエンゴロ・カンテへの賛辞として歌われ、“黄色いベスト運動(ジレ・ジョーヌ)”のデモの際にも使用されました。 

このヒット曲は、左手のオクターヴのシンコペーションがその軽快さとチャーミングさを演出しているフランスの素晴らしいピアノ曲です。曲の随所にペダルが使われているので、ペダリングのスキルを練習するのにも最適です。

「オー・シャンゼリゼ」を、ソロピアノや音楽と一緒に演奏してみましょう。さまざまなレベルを用意しておりますので、どなたでもこの有名なフランスのピアノ曲に挑戦していただけます。ピアノ伴奏譜もご利用いただけますので、歌いながら演奏する弾き語りも是非お楽しみください。