ピアノで和音(コード)を弾くことは、実は想像する程難しくはありません。 実際に、ピアノで3つ以上の音を同時に弾いていたら、それはすでに和音(コード)を弾いています。 ほとんどのピアノコードは3つの音で構成されており、“三和音(トライアド)”とも呼ばれます。
ですが、全ての和音(コード)は実際にピアノで良い音を奏でるのでしょうか?それに関しては、音の好みによって人それぞれかもしれませんが、一つだけ確実に言えることがあります。ピアノコードは、好きな曲をピアノで演奏するのに役立つという事です。
皆さまの奏でるピアノコードをより音楽的に響かせる為に、和音(コード)の構造を学んで、ピアノを奏でる際に多種多様な方法で応用ができるようにしましょう。
一般的に、和音(コード)は長三和音(major chord)と短三和音(minor chord)に大きく分けられます。
長三和音(3つの異なる音が含まれているため、メジャー・トライアドとも呼ばれています)は、下が長3度、上が短3度という構造になっています。長3度はピアノの半音4つ分、短3度は半音3つ分として数えることができます。
全ての長三和音(と短三和音)が記載された ピアノコード表 は無料でダウンロードして頂けます。
短三和音は、下が短3度、上が長3度という構造になっています。短三和音と長三和音の構造を比較すると、どちらも2つの3度が重なり合って構成されていることがわかります。 唯一の違いは、短三和音は下が短3度であるのに対し、長三和音は下が長3度であるということです。
一般的に、長三和音は明るく陽気な音に聴こえます。それに対して短三和音はたいていの場合、暗く悲しい音として響きます。
ここに2つの例を用意しました。1曲目は長三和音を使って演奏され、2曲目は短三和音で構成されています。響きの違いを聴いてみましょう。
長調の響きの例: ルイ・アームストロング - What a Wonderful World
短調の響きの例: 「シンドラーのリスト」のテーマ
音楽を学ぶことは、最初は新しい言語を学ぶことの様に感じるかもしれません。音楽用語はかなり独特なもので、これまでに出会ったことがないような幅広い用語があります。でも心配はいりません、Tomplayがお手伝いします!
ここではピアノでコードを奏でる前に知っておくと便利な基本的な ピアノコード用語 を紹介します:
音楽における音程(インターバル)とは?
音程は、2つの音の間隔または音符間の関係を表します。実は今までお読み頂いた部分で、長3度と短3度という2つの異なる音程にすでに出会っています。
根音(ルート)とは?
根音はコード(和音)の構成音の中で基準の音をさします。例えば、 ‘ハ長調 Iの和音(C Major)’ の‘ド’、 ‘ト長調 Iの和音(G Major)’ の‘ソ’ などです。
長3度とは?
長3度は長三和音(major chord)の1番目の音と2番目の間の音程です。例えば、 ‘ハ長調 Iの和音(C Major)’ の ‘ド’ と ‘ミ’、 ‘ヘ長調 Iの和音(F Major)’ の ‘ファ’ と ‘ラ’ などです。長3度はピアノの半音4つ分として数えることができます。
短3度とは?
短3度は短三和音(minor chord)の1番目の音と2番目の間の音程です。例えば、 ‘イ短調 Iの和音(A minor)’ の ‘ラ’ と ‘ド’、 ‘ホ短調 Iの和音(E minor)’の ‘ミ’ と ‘ソ’ などです。短3度はピアノの半音3つ分として数えることができます。
完全5度とは?
完全5度は長三和音(major chord)と短三和音(minor chord)の1番目の音と3番目の音の間の音程です。例えば、‘ハ長調 Iの和音(C Major)’の ‘ド’ と ‘ソ’、‘イ短調 Iの和音(A minor)’ の‘ラ’ と ‘ミ’ などです。ピアノで完全5度を識別するには、根音から半音7つ分を数えます。
和声(chord progression)とは?
和声という用語は、ピアノの本や教材でよく使用されますが、実際にはどの様な意味なのでしょうか?和声(chord progression)とは、音楽作品や作曲における用語で、和音(コード)の進行や声部(パート)の導き方を表しています。つまり和声とはシンプルに、1つの曲の流れの中で様々な和音を演奏することを意味します。
和音(コード)の転回とは?
ピアノを練習する際によく目にするもう1つの大切な用語は、“和音の転回” です。和音の転回は、基本形の和音の根音(ルート)以外の音が最低音として演奏される時に起きるものです。例えば、ハ長調 Iの和音(C Major)には、‘ド’、‘ミ’、‘ソ’の音が含まれます。コードネームと根音(ルート)である‘C’すなわち‘ド’は、和音の最低音として配置されます。 もしハ長調 Iの和音(C Major)で、‘ド’ではなく、‘ソ’または‘ミ’が最低音に置かれている場合は、それが転回形です(‘ソ’ ‘ド’ ‘ミ’ や、‘ミ’ ‘ソ’ ‘ド’ など) 。
増三和音(オーギュメント・トライアド)とは?
増三和音は、2つの長3度(または増5度を加えた和音)で構成されています。増三和音は “aug” と表記されます。例えば、根音(ルート)が‘C’の増三和音は、 Caug と表記され、‘ド’、‘ミ’、‘ソ#’の音で構成されます。
増三和音(aug)を含む楽曲の例はこちら: デヴィッド・ボウイ - Life on Mars
減三和音(ディミニッシュ・トライアド)とは?
減三和音(マイナー・フラットファイブとも呼ばれます)は、根音(ルート)上の2つの短3度で構成される三和音です。これは、音程が下げられた5度(フラット化とも呼ばれます)を伴う短三和音(minor chord)です。例えば、根音が‘C’の減三和音は、 Cdim と表記され、‘ド’、‘ミ♭’、‘ソ♭’の音で構成されます。
減三和音(dim)を含む楽曲の例はこちら: ザ・ビートルズ - ミッシェル(Michelle)
七の和音(四和音/セブンスコード)とは?
七の和音は、4つの音で構成されます。三和音(トライアド)の3つの音に、根音(ルート)に対して7度の音を加えた和音です。七の和音は、特にジャズ音楽で人気がありますが、様々なハーモニーと調の関係をより豊かにするため、どのスタイルの音楽にも重要です。
七の和音を含む楽曲の例はこちら:
これで、基本的なコード用語は習得できました。引き続きピアノコードのスキルと知識をさらに広げていきましょう!
皆さまのお気に入りのピアノ曲や作品のほとんどは、和音(コード)と変化和音で構成されています。 ロックやポップ、ジャズ、クラシック等どのジャンルの曲をピアノで演奏する場合でも、和音(コード)は音楽の基盤となっているのです。
それでは早速、いくつかの基本的なピアノコードの学習に飛び込みましょう!次のパラグラフでは、お気に入りの曲をすぐにピアノで演奏する為のヒントとテクニックを紹介していきます。
もし以下の項目に一つでも当てはまるようでしたら、是非読み進めてください!
ここではすぐに習得できる簡単なピアノコードをご紹介します。特に、ロックやポップ、ジャズの曲を演奏したい方にはとても便利なピアノコードです。
The MangoldProject の動画では初心者にとても役立つチュートリアルが紹介されています。こちらのリンクからご覧ください:
右手で和音(コード)を弾き、左手で根音(ルートすなわちコードネームの音)を弾く練習から始めてみましょう。
同じ和音(コード)を繰り返しながらピアノのサスティンペダルを踏むと、和音(コード)をより豊かで音楽的に響かせることができます。
いくつかの世界的に有名な曲は、わずか4つの和音(コード)で書かれています。ジョン・レノンの “イマジン” はその一つで、4つのピアノコードで演奏できる、初めての練習に最適な曲です。
Tomplayの楽譜: ジョン・レノン - イマジン(Imagine)
面白い動画と共に、4つの和音(コード)で構成されている曲のトピックへ移りましょう。コメディ・ロック・バンドの “Axis of Awesome” は彼らの楽しく愉快な動画の中で、多くのポップソングが4つの同じ和音(コード)しか使われていないことを取り上げています :
4つのピアノコードを習得して、たくさんの曲を早速演奏してみましょう!
“魔法の”4つの和音(コード)はこちら: ハ長調 Iの和音(C Major), Vの和音(G Major), viの和音 (A minor), IVの和音(F Major)
Iの和音(C Major)
– ド, ミ, ソ
Vの和音(G Major)
– ソ, シ, レ
viの和音(A minor)
– ラ, ド, ミ
IVの和音(F Major)
– ファ, ラ, ド
これら4つの和音(コード)は無料の ピアノコード表 にも記載されています。
“魔法の”4つの和音(コード)を使った曲を演奏してみませんか?Tomplayの楽譜カタログから選りすぐりのセレクションをお届けします:
エルトン・ジョン - 僕の瞳に小さな太陽(Don’t let the sun go down on me) :
一度最初のピアノコード(和音)を習得すると、同じ方法で繰り返し和音(コード)を演奏するのは少し退屈に感じてくるかもしれません。
ここでは、ピアノコード(和音)の演奏をより豊かで多様なサウンドにするための4つの簡単なテクニックをご紹介します:
1. オクターブ・ベースを弾く: 右手で和音(コード)を弾き、左手で和音(コード)の根音(ルート)とオクターブを弾きます。 例えば、右手はハ長調 Iの和音(C major)の‘ド’、‘ミ’、 ‘ソ’を弾き、左手で2つの‘ド’を弾きます。
2. リズムを意識してピアノを弾く: 特定のリズムで和音(コード)を演奏します。1-2-3、1-2-3、1-2-3と数えながら、それぞれの3つの音符のかたまり(3連音符とも呼ばれます)の1番目を強調します。次の和音(コード)に移る前に、各和音(コード)をゆっくりとしたテンポで練習し、リズムを整えるようにします。
3. アルペジオを弾く: 和音(コード)のそれぞれの構成音を一つずつ演奏します(分散和音とも呼ばています)。例えば、ハ長調 Iの和音(C major)を ドミソミ ドミソミのように弾きます。
4. 音を交互に弾く: 和音(コード)の根音(ルート)とその他の2つの音(この2つの音は同時に演奏します)を別々に弾きます。
以下リンクのMangoldProjectの動画でこれら4つのテクニックが実践されています:
おめでとうございます、これでピアノコードとお気に入りの曲を演奏するための基礎は習得できました!
ピアノコード習得の旅のお供に無料の ピアノコード表 をご活用ください。
ピアノで和音(コード)を演奏する方法は様々です。
その中でも、練習する際に最適な3つの方法をご紹介します:
1. ピアノの弾き語り - 初心者を含めピアノを演奏する全てのレベルの方に適しているとても有効な方法です。
2. 右手でメロディーを、左手で和音(コード)を弾く: 歌う事があまり得意でない方も、この方法は人気曲を演奏する際にとても適しています。
3. 左手で和音(コード)を弾き、右手でピアノ・ソロのメロディーを即興で演奏する: この方法は、より上級レベルのピアニストや、即興で演奏したい方に最適です。
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