ピアノで演奏する素晴らしいワーシップソング 5選
音楽は、人々が一緒に礼拝し、宗教的体験を高めるための美しい方法でもあるため、何世紀にもわたり宗教の一部として捉えられてきました。キリスト教は、土語で歌われるようになる何世紀も前は、ラテン語が使われていました。19世紀のリバイバル運動は、特にアメリカでゴスペル音楽や霊歌などの、新しいスタイルとジャンルの発展につながりました。
これらのジャンルの1つとしては、過去60年ほどにわたって発展してきたコンテンポラリー・ワーシップ・ミュージック、またはワーシップソング/プレイズソングと呼ばれるものです。このジャンルは、特に若者にとって ‘退屈’ で ‘怠い’ という烙印を押されてしまった教会が、その不名誉と対峙する願いから発展しました。そのため、よりモダンで明るく、ポップな曲を作るというアイデアが生まれました。これらの曲の歌詞は、聖書における教えを示し、神を称えます。
この記事では、伝統的な賛美歌、コンテンポラリー・プレイズ、ワーシップソングからなる、ピアノで演奏する素晴らしいワーシップソングを5曲ご紹介いたします。ピアノ用のワーシップソングのコレクションは3つございます:
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In Christ Alone
▶️️ In Christ Alone をソロピアノで演奏する
In Christ Aloneは、Stuart TownendとKeith Gettyによって書かれた曲です。Townendはイギリスのクリスチャン一家で育ち、彼のキャリアを通して、イギリスの多くの有名なワーシップ・リーダーのためにアルバムを制作してきました。彼の作曲の多くは現在、コンテンポラリー・ワーシップソングのレパートリーの定番となっています。Gettyと彼の妻Kristynはデュオとして活動し、彼らは多くの人気のあるキリスト教の賛美歌を生み出したレコードレーベル、Getty Musicを運営しています。Gettyは、音楽と賛美歌への貢献が讃えられ、O.B.E(大英帝国勲章のオフィサー)を授与されました。
In Christ Aloneは、2000年の礼拝イベントで出会ったTownendとGettyによる初めてのコラボレーションでした。この曲は2001年に完成したこともあり、非常にモダンなワーシップソングです。メロディーはアイルランドのスタイルで、作品のテーマとしてキリストの生と死と復活に焦点を当てています。
Gettyは以前この歌について次のように述べています。「キリストの生涯とそれが意味するものを宣言する賛美歌にしたかったのです。歴史のすべてを変え、私たち一人一人との繋がりを望んでいる、神であるキリストを信じることの礎を人々に伝えることができる何かを。」
南アフリカのシンガーAdrienne Campは、自身のバージョンとして、2002年にクリスチャンバンドのジェフ・ムーア&ザ・ディスタンスと一緒にこの曲を録音しました。
In Christ Alone をソロピアノで演奏しましょう。初級〜中級レベルのピアニストの方に最適です。また、片手練習機能やテンポ調節機能も使って作品の練習にお役立てください。
Be Thou My Vision (こころみの世にあれど)
▶️️ Be Thou My Vision をソロピアノで演奏する
Be Thou My Visionは、イギリスで非常に人気のある伝統的なキリスト教の賛美歌です。しかし、この素晴らしい曲の起源ははっきりとはわかっていません。この曲は5世紀にまで遡るとされていますが、存続し続け今日でも演奏されています。この作品の音楽と歌詞が素晴らしいことの証です。
このプレイズソングについて私たちが知っていることは、起源がアイルランドであることと、聖パトリックと強く結び付きがあるということです。元々の曲のメロディーはSlane(スレーン)というタイトルで、パトリックへのオマージュとして無名の作家によって書かれました。433年、アイルランドの地元の王が異教徒の祝祭の時に、炎や、ろうそくに火をつけることを人々に禁じました。パトリックはこれに反対し、反抗の意思表示として、祝祭の日にスレーンの丘の頂上に登り、大きな炎を灯したそうです。歌詞については、6世紀のアイルランドの詩人であるダラン・フォーゲイルに起因すると多くの人から考えられています。
メロディーと歌詞を合わせて、今日私たちが知っているBe Thou My Visionという曲が作られたのは20世紀のことでした。1905年、若い学生が元の歌詞を見つけて、英語に翻訳したのが始まりです。その後1912年に、エレノア・ハルという名前のアイルランド人女性が、歌詞とSlaneのメロディーを組み合わせて、 Be Thou My Visionが生まれました。1919年に初めて聖歌集に載ってから、この曲は2019年に100周年を迎えました。
Tomplayでアレンジされたプレイズ/ワーシップソング Be Thou My Vision をソロピアノで演奏しましょう。左手はとてもシンプルな伴奏を演奏し、右手はメロディーを奏でます。また、この作品はペダリングの練習にもとても適しています。
Abide with Me (日暮れて四方は暗く)
▶️️ Abide with Me をソロピアノで演奏する
賛美歌Abide with Meの起源もはっきりしていない部分があります。歌詞はスコットランドの聖職者ヘンリー・フランシス・ライトによって書かれましたが、彼がいつ書いたかについては2つの仮説があります。一つ目は、彼が結核で病気で生死を彷徨った1847年に書いたという説です。 二つ目は、1820年に病気の友人を訪ねた際に書いたという説です。その友人は、‘abide with me’というフレーズを繰り返していたそうで、この出来事にインスパイアされたライトは賛美歌を書き、それを友人の家族に贈りました。
この賛美歌の音楽は、英国のオルガニスト・教会音楽家のウィリアム・ヘンリー・モンクによって手掛けられました。当時モンクの3歳の娘が亡くなったばかりで、元々Eventideと名付けられていたメロディーは彼女からインスパイアされたものでした。音楽は1860年代にライトの歌詞と合わせられました。
Tomplayで、中級レベルにアレンジされた Abide with Me はソロピアノで演奏していただけます。この作品のシンプルな見かけに惑わされないでください。主に4分音符と2分音符で構成されていますが、メロディーを流れるように奏で、伴奏が平坦な繰り返しに聴こえないようにすることが課題です。
On Eagle’s Wings (鷲の翼)
▶️️ On Eagle’s Wings をソロピアノで演奏する
鷲は自由と力を表しており、キリスト教ではキリストの復活の象徴としてよく使われます。ですが、On Eagle’s Wingsの曲の鷲は少し違った見方をしています。この曲の鷲は、神と、信者たちの生に供給する高揚感を象徴しています。
この人気のある祈りの賛美歌は、司祭であり作曲家のマイケル・ジョンカスによって1970年代に書かれたこともあり、とてもモダンな作品となっています。彼の友人であるダグラス・ホールの父親が亡くなったことを知りこの作品を書きました。自身と家族にとってのこの歌の重要性を強調したアメリカのジョー・バイデン大統領(2015年に脳の癌で息子のボウを亡くしています)を含め、多くの人々が悲しみを通して、この曲に慰めを感じています。アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者の追悼式でも演奏されました。
この曲のサビはシンプルですが、鳥が空高く羽ばたく情景を鷲の翼に喩えるように、ゆっくりと盛り上がっていきます。そこに、美しく気持ちが高まるような歌詞が融合すると、この曲がなぜこれ程まで多くの人に愛されているのかがすぐにわかります。
Tomplayの On Eagle’s Wings をご覧ください。このワーシップソングは中級レベルのピアニストに最適な難易度となっており、ソロピアノで演奏していただけます。右手のメロディーには同じ右手のパートで低い音が伴っているため、高い音を確実に鳴らし、曲の中で音が消えてしまわないようにすることが重要です。最初にボリュームコントロールを使用して右手のパートを聴いてからご自身で試してみてください。
Leaning on the Everlasting Arms (主の御手に頼る日は)
▶️️ Leaning on the Everlasting Arms をソロピアノで演奏する
私たちが今回最後にご紹介するワーシップソングは、1887年の賛美歌、Leaning on the Everlasting Armsです。歌詞は、「申命記 Book of Deuteronomy」33章27節の旧約聖書の一節にインスピレーションを受けています。
“The eternal God is thy refuge, and underneath are the everlasting arms”
「永遠なる神は汝のより所 とこしえの腕の支えている所」
エリシャ・ホフマンと一緒に歌詞を書いたアンソニー・J・ショウォルターは、妻を亡くした元学生2人からの手紙に心を動かされ哀悼の意を表すために手紙を書いた際、上記の一節を用いました。ホフマンはスタンザを使って歌詞を完成させ、ショウォルターはそれを音楽にのせました。
賛美歌の構造は非常にシンプルですが、歌詞には複雑な多くのテクニックがあります。たとえば、epistrophe(結句反復:連続するフレーズの最後に、同じ単語が繰り返される修辞技法)です。このワーシップソングの歌詞を見ると、サビの中で ‘leaning’ という言葉が数回繰り返されています。これは言葉を覚えやすくするだけでなく、歌のメッセージ(困難な時期には神に助けを求めることができるということ)を強める効果があります。
この心地の良い歌は普遍的な魅力を持っており、異なるスタイルの多くのアーティストによってカバーされています。たとえば、アメリカのゴスペルシンガーのマヘリア・ジャクソンは、ゴスペルの要素を加えて歌い、フォークシンガーのIris DeMentは、スローでピアノ伴奏を主とする、より伝統的なバージョンを作りました。この曲は、さまざまな映画やテレビ番組でも使用されています。
Tomplayでアレンジされた Leaning on the Everlasting Arms は中級レベルに最適化されており、ソロピアノでお楽しみいただけます。Tomplayの運指機能も、ピアノパートの演奏にお役立てください。
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