ヴァイオリン愛好家のための7つの美しい協奏曲
ヴァイオリン協奏曲となると、まず初めにどの協奏曲を演奏すべきなのか、または自分に最も適した楽章を選ぶことが難しいということがあるかもしれません。ということで、ヴァイオリン愛好家の皆さま、生徒の選曲を行う教師の皆さまのお役に立てることを願い、こちらのセレクションを作成しました。
各楽章には、対応する”双方向型"楽譜へのリンクが含まれており、プロが演奏するオーケストラ伴奏音源や、ピアノ・リダクション版の伴奏音源に合わせてヴァイオリン・パートを演奏して頂くことができます。
1. リーディング - 協奏曲第2番 Op.35〜第1楽章:アレグロ・モデラート
▶️ピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて、ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調Op.35より第1楽章を演奏してみましょう
リーディングの最大の名声は、ハンガリー音楽への貢献、特にブダペストでの音楽生活にあります。 1840年にドイツのシュテティーンに生まれ、ベルリン設立されたばかりの音楽芸術アカデミーにて学んだ後、ライプツィヒ音楽院にて研鑽を積みました。
1860年代の終わりには、ブダペスト国立歌劇場のオーケストラのリーダーに任命され、32年間の在任中、ヴァイオリン協奏曲及びヴァイオリンとピアノのための数多くの学習用の作品を作曲しました。
オスカー・リーディングという名を、コンサートのプログラム上で目にすることは滅多にありません。しかし彼は、ヴァイオリンを学ぶ学生にとって、とても身近な存在です!彼のヴァイオリンとピアノのための短い作品は、ヴァイオリン初心者のために作られており、レッスンやオーディションにて、その地位を保っています。
第1ポジションのみを使用するヴァイオリン協奏曲第2番ハ短調 Op.35は、ヴァイオリン協奏曲の入門編とも言うことができます。付点音符の奏法を学ぶのにも適しています。
Tomplayアプリが提供する多くのツールを活用して、最適な方法で練習してみましょう。楽譜に書き込みをしたり、ご自身に合ったテンポに調節して、特定の小節を繰り返し練習してみましょう。ご準備ができましたら、楽譜に同期されたピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて演奏してみましょう!
2. ミリエス - 小協奏曲 ニ長調(モーツァルトのスタイルによる)
▶️ ピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて、小協奏曲 ニ長調(モーツァルトのスタイルによる)のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
ハンス・ミリエスは、19世紀から20世紀にかけて、ドイツで作曲家及びヴァイオリニストとして活躍しました。彼は牧師の息子であり、ヨーゼフ・ヨアヒム及びアンドレアス・モーザーと共に、ベルリンの音楽学校でヴァイオリンを学びました。
第一次世界大戦の初頭、彼は兵役を志願し、日本にて投獄され、習志野収容所に収容されました。そこで、彼は弦楽四重奏とオーケストラを立ち上げ、キャンプで音楽生活をスタートさせました!
ミリエスは今日、初心者のための簡単なヴァイオリン協奏曲の作曲家として知られており、それらの作品には、モーツァルトのスタイルによる協奏曲ニ長調やハイドンのスタイルの協奏曲ニ長調などがあります。
Tomplayのアプリで、私たちが録音したピアノ・リダクション版の伴奏音源に合わせて、 小協奏曲 ニ長調(モーツァルトのスタイルによる)を演奏してみましょう。この小協奏曲は、古典派の軽快かつ優雅な楽曲の運指を練習するのに最適です。この作品には、重音等いくつかの技術的な要素が含まれますが、第1ポジションで演奏することができるものです。
デバイス上で楽譜が自動的にスクロールされることで、音楽に容易に没頭して頂くことができ、プロが演奏する音源を聴いてインスピレーションを得ながら練習してみましょう。
3. ザイツ - 学生協奏曲第5番 ニ長調 Op.22
▶️ピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて、学生協奏曲第5番 ニ長調 Op.22のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
ドイツ・ロマン派の作曲家であるフリードリヒ・ザイツは、室内楽、特にヴァイオリン学習用の8つの協奏曲を作曲した優れたヴァイオリニスト兼指揮者でした。
彼は、ヨーロッパにおいて彼が生きた時代の最初のヴァイオリニストの一人でした。ザイツは、ドイツの都市、また、ロンドンやオランダへのツアーを数多く行いました。
ここでご紹介するザイツの学生協奏曲第5番ニ長調は第1ポジションで演奏できるものですが、ある程度の技巧がが求められます。ボーイングは複雑で、重音も登場し、リズムも様々です。
ピアノ伴奏がついた、ザイツの学生協奏曲第5番ニ長調 Op. 22の全楽章を演奏してみましょう。伴奏音源をスタートすると、自動的に楽譜がスクロールし、プロのピアニストが演奏する伴奏が流れます。
また、プロのヴァイオリニストが演奏する音源を聴き、正しいリズムを確認して、インスピレーションを受けながら練習してみましょう。
4. バッハ - 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
▶️ オーケストラ伴奏音源に合わせて、2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「ドッペルコンチェルト」としても知られる2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV 1043は、バロック時代末期を体現する作品の1つです。 彼がこの協奏曲を書いた場所及び時間は不明です。彼は、ケーテン、または後にライプツィヒにいたとき、ハ短調BWV 1062に移調された2台のチェンバロのための協奏曲を編曲する前に、この楽曲を手がけたのでしょうか?
2人のソリストのためだけでなく、この協奏曲は弦楽器及び通奏低音のために書かれています。それは、作品を通して、2つのヴァイオリンの繊細かつ表現力豊かな関係性の中で特徴付けられるものですが、主に、オーケストラが和音の演奏において限定されるLargo ma non tantoの楽章で如実なものです。
この協奏曲は、バッハの最も成功した作品の1つと考えられており、フーガの構造を模倣し、対位法が用いられています。この楽曲を録音した有名なヴァイオリニストには、イツァーク・パールマン、アイザック・スターン、アンネ=ゾフィー・ムター などがいます。
この楽曲は、ヴァイオリニストのレパートリーに欠かせないものです。ソリストとしてだけでなく、室内楽の練習にもなります。
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043の第1ヴァイオリンまたは第2ヴァイオリンのパート譜をダウンロードし、プロが演奏する、自分が演奏するパートではない方のヴァイオリンパートの音源及びマルチトラックのオーケストラ伴奏音源に合わせて演奏してみましょう。それらの音源は楽譜に同期されており、自分のパートの演奏に没頭して下さい。高音質オーケストラ伴奏音源に合わせて演奏することは、練習を楽しみための良い方法でもあります。また、楽曲のテンポを見失わないための方策でもあります。
5. ヴィヴァルディ - 2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 第8番 Op. 3, RV 522
▶️ピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて、2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 第8番 Op. 3のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
「調和の霊感」Op.3は、アントニオ・ヴィヴァルディの1つ、2つ、または4つのヴァイオリンとオーケストラのための12の協奏曲シリーズのタイトルです。
これは、「四季」の後に作曲された彼の最も有名な協奏曲作品ですが、特に、ヨーロッパで彼の名を確固たるものにした作品でもあります。
このサイクルをまとめるべく、ヴィヴァルディは自身の作品の中から、最も完成されたものを選んだように思えます。その中に、こちらで演奏することをお勧めしている2つのヴァイオリンのための協奏曲第8番イ短調があります。
この協奏曲は、ソリストにオーケストラのリーダー的役割を担ってもらうのに最適な作品です。この楽曲で、ソリスト、室内楽奏者、そしてリーダーの役割の担う練習をすることができます。
Tomplayを使用して、楽譜に同期された第1ヴァイオリンまたは第2ヴァイオリン及びピアノ・リダクション版の伴奏音源に合わせて演奏してみましょう。
6. ポルトノフ - ヴァイオリン小協奏曲イ短調 Op.14
▶️ピアノ・リダクション版の伴奏に合わせて、ヴァイオリン小協奏曲イ短調 Op.14のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
音楽家、教師、作曲家で合ったレオ・ポルトノフは、ベルリンのシュテルン音楽院で10年近く教鞭を執り、1922年に米国に渡りました。彼は最初、ブルックリンに住んでいましたが、フロリダに移動し、マイアミ大学で音楽を教えていました。
ポルトノフの小協奏曲イ短調は非常にノスタルジックな作品であり、ファンタジー性を持ったその作品は、この20世紀の作曲家の主要作品の1つです。
この小協奏曲は、協奏曲の大曲を演奏する準備をするのに理想的です。速さ、複雑なボーイング、重音など、テクニックを追求する必要があります。
Tomplayアプリのテクノロジーにより、ピアノ・リダクション版の伴奏音源に合わせて、この小協奏曲 イ短調を演奏して頂くことができます!また、練習の進行状況に応じてテンポを調整したり、繰り返し機能を有効にすることで、納得のいかない箇所を何度でも練習して頂くことができます。
7. バッハ - ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV 1041〜第2楽章:アンダンテ
▶️オーケストラ伴奏音源に合わせて、ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV 1041より第2楽章のヴァイオリン・パートを演奏してみましょう
バッハの2つのヴァイオリン・ソロのための協奏曲は有名かもしれませんが、その起源についてはほとんど知られていません。彼がいつ、どこで、なぜこの楽曲を書いたのかはわかりません。
バッハが自分でそのソロ・パートを演奏したかどうかもわかりませんが、実際に演奏した、と我々は想定します。彼は、ヴィオラを演奏しながらオーケストラを指揮することを好む著名なヴァイオリニストでもありました。音楽と身体の両方で、彼は事の中心にいることができました。
ヴァイオリン協奏曲イ短調では、ソリストとオーケストラはあまり被さり合いません。これらの要素がすべて一緒になり、すべての楽器が同時に演奏するのは、楽章の最後のフレーズのみです。
この協奏曲の第2楽章は、音楽性を磨くのに役立ちます。優雅に音符をうたわせるために、フレーズ作りをする良い練習になります。
高音質オーケストラ伴奏音源に合わせながら、自分の演奏を録音することも可能です。その際、ご自身の音源の音量を、伴奏音源の音量とは別に設定することができます。そして、ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV 1041の第2楽章のご自身の演奏を聴き返して、演奏に磨きをかけましょう。
また、Tomplayが提供する他の多くの機能を利用して、最良の条件で練習し、あなたのヴァイオリンで、これらすべてのすばらしい協奏曲の素晴らしさを最大限に引き出しましょう!
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